日本で部屋を借りるときの流れと初期費用(外国人向け)
結論:日本で賃貸の部屋を借りるときの初期費用は、国土交通省の資料では「家賃の4〜7か月分」が目安とされています。 敷金、礼金、仲介手数料、前家賃、保証料、火災保険料などが合計されるためです。たとえば家賃が10万円なら、40万〜70万円ほどの準備が必要になる計算です。就職や転職で引っ越す前に、費用と手続きの流れを知っておきましょう。
賃貸契約の流れ:内見から鍵の受け取りまで
賃貸契約は、不動産店に相談してから鍵を受け取るまで、段階を踏んで進みます。国土交通省の「部屋探しのガイドブック」では、次の流れが紹介されています(2026年11月時点、出典:国土交通省)。
- 不動産店に、希望する部屋の条件を伝える
- 部屋を下見(内見)する
- 契約したい場合は、入居申込書に記入する
- 不動産店などによる審査を受ける
- 重要事項説明で、契約内容の説明を受ける
- 契約書に署名し、敷金・礼金などのお金を支払う
- 鍵を受け取り、引っ越しをする
重要事項説明とは、契約前に、宅地建物取引士が契約の大切な内容を説明する手続きです。分からない言葉があれば、その場で質問して構いません。
ガイドブックには、内見した日に入居を申し込む場合もあるため、在留カードやパスポートなどの身分証明書を用意しておくとよい、という注意があります。
初期費用の内訳と目安
初期費用は、契約時にまとめて支払うお金です。ガイドブックでは、敷金・礼金・媒介手数料・損害保険料・家賃・共益費などを合わせて、地域によって異なるものの、月額家賃の4〜7か月分が目安とされています。
| 項目 | 内容 | 目安(ガイドブックの記載) |
|---|---|---|
| 敷金 | 家賃の不払いや退去時の修理に備えて家主に預けるお金。退去時に精算し、残りは返還される | 家賃の1〜2か月分程度 |
| 礼金 | 家主へ支払うお金。返還されない。関東地方などに多く、礼金なしの部屋もある | 家賃の1〜2か月分 |
| 仲介手数料(媒介手数料) | 不動産店へ支払う手数料 | 家賃1か月分以内と決められている |
| 前家賃・共益費 | 日本の家賃は前月払い。入居月分などを契約時に払う | 契約書の金額による |
| 保証料 | 家賃債務保証会社を使う場合に支払う | 2年分で家賃の0.5か月分程度の例、または家賃1か月分の30〜60%程度とされる |
| 火災保険料 | 火災や水漏れに備える損害保険。加入が一般的 | 資料に金額の記載なし |
鍵の交換費用など、物件や不動産店によってほかの費用が加わる場合があります。見積もりを受け取ったときは、項目ごとの金額と、返還されるお金(敷金)かどうかを必ず確認してください。
なお、国土交通省の資料は、外国では敷金や礼金を払う習慣がない国もあるため、契約前に日本の仕組みを理解しておくことが大切だと説明しています。
保証人・緊急連絡先・保証会社
入居の申し込みでは、家賃が払えなくなったときに備えて、家賃債務保証会社の利用か、連帯保証人のどちらかを求められることが多いです。
連帯保証人とは、入居者が家賃や修理費用を払えなくなったとき、代わりに支払う人です。ガイドブックでは、連帯保証人には一定以上の収入が求められるとされています。
家賃債務保証会社とは、入居者が家賃を払えないとき、家主に対して代わりに支払う会社です。利用するときは、入居者が保証料を支払います。ただし、保証会社が代わりに払ったお金は、後で入居者に請求されます。保険ではないため、家賃を払わなくてよくなるわけではありません。
緊急連絡先は、入居者と連絡が取れないときのための連絡先です。申込書に記入を求められることがあります。日本に頼れる人がいない場合は、保証会社を使えるか、不動産店に早めに相談しましょう。
外国人が部屋を借りるときの必要書類
審査のときに必要な書類は、不動産店や物件によって異なります。国土交通省のガイドブックには、入居審査時の書類として、次のものが例示されています(2026年11月時点、出典:国土交通省)。
| 書類 | 補足 |
|---|---|
| パスポート | 身分の確認 |
| 在留カード | 在留資格や在留期間の確認 |
| 所得証明書 | 収入の確認 |
| 勤務証明書(在職証明書) | 勤め先の確認 |
| 在学証明書 | 学生の場合 |
| 連帯保証人の所得証明書・印鑑登録証明書 | 連帯保証人を立てる場合 |
就職したばかりの人は、所得証明書をまだ出せないことがあります。その場合は、内定通知書や雇用契約書で代わりになるかどうかを不動産店に確認してください。
外国人向けの相談先と公的な資料
国土交通省は、外国人向けの「部屋探しのガイドブック」を公開しています。日本語、英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語、ベトナム語、ネパール語、タイ語、インドネシア語、ミャンマー語、カンボジア語(クメール語)、タガログ語、モンゴル語の14言語があります(国土交通省「外国人の民間賃貸住宅への円滑な入居について」)。部屋の探し方、契約の手続き、入居後の注意点などがまとまっています。
契約書の内容が分からないときは、署名の前に不動産店へ質問してください。それでも不安な場合は、お住まいの自治体の外国人相談窓口や、消費生活センターに相談する方法があります。窓口の場所や対応言語は、自治体の公式サイトで確認しましょう。
UR賃貸住宅という選択肢
UR賃貸住宅は、独立行政法人都市再生機構(UR)が運営する賃貸住宅です。URの公式サイトでは、礼金、仲介手数料、更新料、保証人が不要とされています(2026年11月時点、出典:UR)。初期費用を抑えたい人は、検討する価値があります。
外国籍の人の申込条件も、公式ページに書かれています。次のいずれかに当てはまる必要があります。
- 在留資格が永住者、外交、公用の人
- 特別永住者の人
- 中長期在留者の人
収入にも基準があります。たとえば、単身の人は、家賃が62,500円未満なら家賃の4倍、62,500円以上20万円未満なら月収25万円、20万円以上なら40万円が基準月収額です。基準を満たさない場合の特例もあります(出典:UR)。ただし、基準や敷金などの条件は更新されます。申込前に、URの公式サイトか営業所で最新の情報を確認してください。
仕事と住まいを一緒に考えるコツ
勤務地が決まる前に部屋を契約すると、通勤が大変になることがあります。可能なら、内定後に勤務先の場所を確認してから部屋を探しましょう。契約後の途中解約には、違約金や解約予告の期間が決まっている場合があります。
勤務地から仕事を探すときは、東京の求人や大阪の求人など、エリア別の一覧が便利です。手取りの目安は手取り額の解説、家賃を含めた生活費の考え方は給与の目安の解説も参考にしてください。
よくある質問
Q. 外国人でも日本で賃貸の部屋を借りられますか。 A. はい、借りられます。ただし、物件ごとに審査があります。在留カードなどの書類を用意し、保証会社や連帯保証人の条件を不動産店に確認してください。
Q. 日本に知り合いがいなくても部屋を借りられますか。 A. 借りられる場合があります。保証会社を利用できる物件なら、連帯保証人が不要なことがあります。物件ごとに条件が違うため、申込前に確認しましょう。
Q. 初期費用を安くする方法はありますか。 A. 礼金のない物件や、仲介手数料が低い不動産店を比べる方法があります。UR賃貸住宅は、礼金と仲介手数料が不要とされています。ただし、敷金など、ほかの費用の有無はURの公式サイトで確認してください。
Q. 契約書が日本語だけで読めない場合は、どうすればよいですか。 A. 署名する前に、内容を説明してもらいましょう。国土交通省のガイドブックは14言語で公開されています。契約書そのものは日本語が基本のため、不安なら通訳できる人に同席してもらう方法もあります。
Q. 退去するとき、敷金は戻りますか。 A. 国土交通省のガイドブックでは、退去後に敷金は原則として返還されるとされています。ただし、部屋を元の状態に戻す費用などが差し引かれます。費用が敷金を上回れば、不足分を支払います。
次のステップ
住む場所は、仕事が決まると探しやすくなります。無料の会員登録をして、勤務地や条件に合う求人に応募できます。無料会員登録はこちら
最終更新日:2026年11月4日。制度や料金は変更されることがあります。最新情報は国土交通省やUR都市機構などの公式サイトでご確認ください。
参考にした公的情報
- 外国人の民間賃貸住宅への円滑な入居について(国土交通省)
- 部屋探しのガイドブック 日本語版(国土交通省)
- UR賃貸住宅 URの借り方・申込資格(独立行政法人都市再生機構)
- UR賃貸住宅 トップページ(独立行政法人都市再生機構)
制度は変更されることがあります。最新の情報は、出入国在留管理庁・厚生労働省などの公式サイトで確認してください。
