志望動機の書き方|外国人向け例文つき

最終更新日:2026年11月4日

結論:志望動機は「なぜこの業界か」「なぜこの会社か」「入社後に何ができるか」の3段で書くと、短くても伝わります。 外国人の応募者は、これに「なぜ日本で働くのか」を一文加えると、採用担当者の疑問に先に答えられます。この記事では、新卒・中途・未経験の3つの場面で、良い例と改善例を並べて紹介します。

志望動機で採用担当者が見ているのは何か

採用担当者は、志望動機から「この人は自社を理解しているか」と「入社後に働く姿を想像できるか」を見ています。厚生労働省のハローワークの資料では、志望動機は「結論→説明(理由を裏づけるエピソード)→展望(入社後の抱負)」の順で書く方法が紹介されています(札幌新卒応援ハローワーク)。

同じ資料は、「他社でもいい」と読める内容や、「好き」だけで終わる内容を避けるよう勧めています。つまり、どの会社にも使える文章は評価されにくいということです。

外国人の応募者には、もう一つの見られ方があります。企業は「長く働いてもらえるか」「日本語で職場の人と協力できるか」も気にします。これは書類の書き方で、ある程度伝えられます。

なお、履歴書全体の書式やルールは履歴書・職務経歴書の書き方で説明しています。この記事は、志望動機の欄に何を書くかに絞ります。

基本は3段構成:業界・会社・貢献

志望動機は、次の3つの問いに順番に答えると組み立てやすくなります。

段 答える問い 書く内容の例
1段目 なぜこの業界・職種か きっかけとなった経験、関心を持った理由
2段目 なぜこの会社か その会社の事業・製品・取り組みで、自分が惹かれた具体的な点
3段目 入社後に何ができるか 自分の経験・スキルと、それを使う場面

全体の長さは、履歴書の欄なら200〜300字ほどが目安です。面接では同じ内容を1分程度で話せるようにしておきましょう。

1段目:なぜこの業界か

1段目では、業界を選んだ理由を、自分の経験と結びつけて書きます。「成長している業界だから」だけでは、誰にでも書ける文章になります。「大学で〇〇を学んだ」「前職で〇〇の課題に気づいた」など、自分だけの出発点を入れましょう。

2段目:なぜこの会社か

2段目が最も差の出る部分です。会社のホームページや求人票で、事業内容、製品、顧客、働き方を調べます。そのうえで「御社の〇〇という点に惹かれた」と、具体的に書きます。

厚生労働省のジョブ・カード制度総合サイトの解説でも、応募先の事業を理解していることが伝わる内容にすることが基本とされています。調べた事実を1つ入れるだけで、文章の説得力が変わります。

3段目:何ができるか

3段目では、「頑張ります」ではなく「〇〇の経験を使って、〇〇の場面で役立てる」と書きます。入社後の働き方が具体的に見えるほど、評価されやすくなります。未経験の場合は、前の仕事やアルバイトで身につけた力(正確さ、報告の習慣、お客様対応など)を使います。

外国人ならではの書き方:日本で働く理由と強みの伝え方

外国人の応募者は、3段構成に加えて「日本で働きたい理由」と「日本語・母語・海外経験をどう活かすか」を入れると、読み手の疑問に答えられます。

日本で働きたい理由の書き方

「日本が好きだから」だけでは、志望動機として弱くなります。理由は、仕事や専門分野とつなげて書きましょう。

  • 専門分野と結びつける:「製造の品質管理を学ぶため、日本の現場で経験を積みたい」
  • 長く働く意思を示す:「日本で専門性を高め、長期的に働き続けたい」
  • 生活への準備を示す:「日本語の勉強を続け、職場で必要な書類も読めるようにしている」

ここで書く内容は、事実だけにします。将来の計画が決まっていない場合は、無理に「10年後の目標」を作らなくて構いません。「まず3年間、〇〇の力をつけたい」のように、近い目標を書けば十分です。

日本語力は事実で書く

日本語力は、「日本語が得意です」ではなく、事実で書きます。たとえば「日本語能力試験N2を取得しています」「アルバイトで日本人のお客様に毎日接客していました」のように、資格や経験を示します。JLPTの認定の目安は、日本語能力試験の公式サイトで確認できます。

試験に合格していない場合も、日本語を使った経験を具体的に書けば伝わります。まだ勉強中なら「学習中です。毎日〇〇をしています」と、現在の努力を書きましょう。

母語・海外経験を活かす点

母語や海外での経験は、仕事の場面と結びつけると強みになります。

  • 通訳・翻訳、海外のお客様への対応、海外拠点とのやり取り
  • 母語話者向けのサポートや案内
  • 自国と日本の商習慣・文化の違いを理解していること

「母語が話せます」だけで終わらせず、「その言語で何をするか」まで書くことがポイントです。企業の事業と関係がない場合は、無理に入れなくて構いません。

在留資格についての書き方

在留資格(日本で働くための許可)は、志望動機の欄で詳しく説明する必要はありません。就労できる在留資格かどうかは、別の書類や面接で確認されます。志望動機では、資格の話よりも仕事の中身を書きましょう。

在留資格の要件は、職種や学歴によって異なります。「技術・人文知識・国際業務」などの一般的な説明は、出入国在留管理庁のページで確認できます。個別の判断は出入国在留管理庁へ問い合わせてください。

場面別の例文:良い例と改善例

ここからは、新卒・中途・未経験の3つの場面で、改善前と改善後の例文を示します。例文はそのまま使わず、自分の経験と調べた事実に置き換えてください。

例1:新卒(留学生)・IT企業

改善前(弱い例) 日本のIT業界は世界で有名で、成長していると思います。御社は大きくて安定した会社なので志望しました。一生懸命頑張ります。

この例は、業界も会社も一般論で終わっています。「安定した会社に入りたい」という個人の希望は、説得力が弱くなります。

改善後(良い例) 大学で情報工学を学び、日本の企業向けの在庫管理システムを卒業研究で作りました。その過程で、現場の使いやすさを重視する日本のものづくりに関心を持ちました。御社は物流会社向けの業務システムを提供しており、利用者の声を開発に反映する点に惹かれました。留学中に身につけた日本語(JLPT N2)と母語の中国語で、海外の取引先にも対応でき、開発と顧客対応の両面で貢献したいと考えています。

この例では、きっかけ(卒業研究)、会社の具体的な特徴、日本語・母語の使い道の3つが入っています。IT職を探す方は、ITエンジニアの求人で仕事内容を比べてみてください。

例2:中途(実務経験あり)・営業職

改善前(弱い例) 前の会社で営業をしていました。日本で働きたいので、御社に応募しました。営業の経験を活かして頑張りたいです。

「営業の経験」が何を指すのか分からず、成果も書かれていません。

改善後(良い例) 前職では海外の食品メーカーで3年間、日本向けの輸出営業を担当し、日本の取引先12社との価格交渉と納期調整を行いました。この経験から、日本の顧客が品質と納期を特に重視することを学び、日本市場に深く関わる仕事をしたいと考えるようになりました。御社は輸入食品を扱う専門商社で、産地との直接取引に強みがあると知り、志望しました。母語と英語、日本語(N2)で産地側とやり取りできる点を活かし、仕入れ先の開拓に貢献します。

数字を使うときは、必ず事実だけを書きます。この例の「3年」「12社」は文章の見本です。実際には自分の経験の数字に置き換えてください。営業職の求人は営業職の求人を見るから探せます。

例3:未経験職種への応募・接客から事務へ

改善前(弱い例) 事務の仕事は未経験ですが、パソコンが好きなので応募しました。日本語も勉強しています。何でも頑張ります。

「何でも頑張る」は、応募先が求める力が分からない表現です。

改善後(良い例) 事務の実務は初めてですが、飲食店のアルバイトで2年間、日本語での接客と毎日の売上報告を担当しました。ミスのない報告と、正確な時間管理を心がけていました。御社は多言語対応を強みとしており、外国人のお客様との連絡を担当できる事務スタッフを募集していると知り、応募しました。入社後は、まずデータ入力と電話の取り次ぎを正確に行い、日本語の書類作成の力も伸ばしていきます。

未経験の場合は、別の仕事で身につけた力を、応募先の仕事に置き換えて書くのがポイントです。事務の求人は事務・オフィスワークの求人で探せます。

避けたいNG表現と言い換え

NG表現は、応募者に悪意がなくても、読み手には「どの会社にも使える文章」に見えてしまうものです。次の表で、言い換えの方向を確認しましょう。

NG表現 問題点 言い換えの方向
御社の将来性に惹かれました 具体性がない 事業・製品・取り組みを1つ挙げる
安定しているから応募しました 会社に何を返すかが見えない 自分が提供できる力を書く
日本が好きだから働きたいです 仕事と結びつかない 専門分野と日本で働く理由をつなぐ
学びたいと思います 受け身で、貢献が伝わらない 学びを仕事にどう使うかまで書く
何でもやります 強みが分からない できることを1〜2つに絞る
日本語は完璧です 根拠がなく、面接でずれが出る 資格や経験の事実で書く

また、複数の会社に同じ文章を使い回すのも避けましょう。社名や事業内容だけを入れ替えた文章は、2段目の説得力が弱くなります。

書いた後のチェックと添削の受け方

書き終えたら、次の点を確認しましょう。

  1. 文体が「です・ます調」か「である調」のどちらかに統一されているか
  2. 一文が長すぎず、一文に結論が一つだけか
  3. 誤字・脱字、句読点の重複がないか
  4. 3段(業界・会社・貢献)がそろっているか
  5. 数字や資格は、事実と一致しているか

ハローワークの資料でも、第三者に読んでもらうと構成や言葉選びの問題に気づきやすいとされています。外国人の方は、各地のハローワーク外国人雇用サービスセンターで、応募書類の添削などの支援を受けられます(在留カードが必要です)。詳しくは、大阪外国人雇用サービスセンターのページなどを確認してください。

面接でも同じ内容を聞かれます。答え方は外国人向け面接でよく聞かれる質問で紹介しています。企業が外国人応募者のどこを見ているかは、企業が外国人応募者に求めることも参考になります。

地域から求人を探す場合は、東京の求人を見るから、応募したい会社の事業内容を比べてみましょう。

よくある質問

Q. 志望動機は何文字くらい書けばいいですか。 A. 履歴書の欄なら、200〜300字ほどが目安です。欄の大きさに合わせ、3段(業界・会社・貢献)が入る長さにしてください。

Q. 日本語に自信がないとき、志望動機はどう書けばいいですか。 A. 短く、正確な文で書くことが大切です。難しい表現を使うより、一文を短くして事実を並べましょう。書いた後は、日本語が分かる人やハローワークの窓口に見てもらうと安心です。

Q. 志望動機にAIの翻訳文や例文をそのまま使ってもいいですか。 A. そのまま使うのはおすすめしません。例文は「どの会社にも使える文章」になりがちで、面接で深く聞かれたときに答えにくくなります。例文は型として使い、経験と応募先の事実は自分の言葉で入れましょう。

Q. 志望動機に給料や休みの希望を書いてもいいですか。 A. 志望動機の欄には書かないのが一般的です。条件の希望は、求人票を確認したうえで、面接や選考の場で相談する内容です。志望動機では、仕事内容と貢献の話を中心にしましょう。

Q. 応募する会社ごとに志望動機を変える必要はありますか。 A. はい、変える必要があります。2段目の「なぜこの会社か」は会社ごとに違うからです。1段目と3段目は共通の部分を残し、2段目だけを会社ごとに書き換えると効率的です。

次のステップ

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最終更新日:2026年11月4日。制度は変更されることがあります。最新情報は出入国在留管理庁・ハローワークなどの公式サイトでご確認ください。

参考にした公的情報

制度は変更されることがあります。最新の情報は、出入国在留管理庁・厚生労働省などの公式サイトで確認してください。