給料の手取りはいくら?税金・社会保険のしくみ

最終更新日:2026年11月4日

結論:手取りは「額面(会社が決めた給料の総額)」から、社会保険料と税金が引かれた後の金額です。社会保険料は月給の約15%が目安で、さらに所得税と住民税が加わります。 手取りは住んでいる地域、年齢、扶養する家族の有無で変わります。この記事の数字は、いずれも仕組みを理解するための概算です。

額面と手取りは何が違うのか

額面とは、求人票や雇用契約書に書かれた、引かれる前の給料です。手取りとは、実際に銀行口座に振り込まれる金額です。

給料から引かれるものは、大きく2種類あります。

区分 項目 何のためのものか
社会保険 健康保険 病気やけがで病院にかかるときの医療費を支える
社会保険 厚生年金保険 老後や障害のときの年金を支える
社会保険 雇用保険 失業したときの給付などを支える
社会保険 介護保険(40歳以上) 介護が必要になったときのサービスを支える
税金 所得税 国に納める税金。毎月の給料から引かれる
税金 住民税 住んでいる市区町村などに納める税金

求人を比べるときは、額面だけでなく「手取りでいくらか」を考えると、生活のイメージがしやすくなります。額面の目安は「日本で働く外国人の給料の目安」も参考にしてください。

社会保険料はいくら引かれるのか

社会保険料は、会社員の場合、会社と本人が分けて負担します。料率は次のとおりです。

  • 厚生年金保険: 保険料率は18.3%で、会社と本人が半分ずつ(9.15%ずつ)負担します(日本年金機構「厚生年金保険の保険料」)。
  • 健康保険(協会けんぽ・東京都): 令和8年度(2026年度)の健康保険料率は9.85%、介護保険料率は1.62%(40歳から64歳の方のみ)です。ほかに、令和8年4月分から全国一律0.23%の「子ども・子育て支援金率」が加わります(協会けんぽ、2026年度時点)。
  • 雇用保険: 令和8年度の一般の事業では、本人負担が5/1,000(0.5%)、会社負担が8.5/1,000です(厚生労働省・労働局、2026年度時点)。

健康保険料率は都道府県ごとに違います。会社が健康保険組合に入っている場合も、料率は異なります。詳しくは、勤務先の給与担当者に確認してください。

社会保険料は、実際の月給ではなく「標準報酬月額」という等級にあてはめて計算されます。標準報酬月額とは、月給を一定の幅で区切って決めた、保険料計算用の金額です。

月給別の社会保険料の概算

社会保険料だけを計算すると、本人負担は月給の約15%になります。次の表は、上の料率から筆者が計算した概算です。

前提は、東京都の協会けんぽ、40歳未満、介護保険なし、2026年度の料率です。月給20万円は標準報酬月額20万円、25万円と30万円は、それぞれ26万円と30万円の等級にあてはめました。健康保険料と子ども・子育て支援金は、会社と本人が半分ずつ負担するものとして計算しています。

月給(額面) 健康保険 厚生年金 雇用保険 本人負担の合計
20万円 約1万80円 約1万8,300円 約1,000円 約2万9,400円
25万円 約1万3,100円 約2万3,800円 約1,250円 約3万8,100円
30万円 約1万5,100円 約2万7,500円 約1,500円 約4万4,100円

健康保険の欄には、子ども・子育て支援金を含めています。端数は切り上げ・切り捨てで多少ずれます。

ここに所得税と住民税が加わります。所得税は、給料の額と扶養する家族の人数などで決まります。正確な金額は、給与明細で確認するのが確実です。あくまで概算であり、住んでいる地域、年齢、扶養の有無で変わります。

所得税と住民税はどう違うのか

所得税は、その年の所得に対する国の税金で、毎月の給料から先に引かれます(源泉徴収)。住民税は、前の年の所得をもとに計算される、地方の税金です。

総務省の説明では、個人住民税は毎年1月1日に住所がある市区町村で、前年の所得をもとに課税されます。そのため、日本で働き始めた1年目は、前年の日本での所得がなければ、住民税が引かれないことが多くなります。2年目の6月ごろから、給料から引かれ始めるのが一般的です。

ただし、前年に日本でアルバイトなどの所得があった留学生は、就職1年目から住民税がかかることがあります。税額は、お住まいの市区町村が決めます。

住民税が引かれ始めたとき、手取りが急に減ったと感じる方は少なくありません。入社2年目の6月ごろは、手取りの変化に備えておくと安心です。

年末調整と確定申告の基本

年末調整とは、1年間に給料から引かれた所得税の合計と、本来納める税額を一致させる手続きです(国税庁「年末調整のしかた」)。多く引かれていれば戻り、足りなければ追加で引かれます。会社が行い、本人は扶養家族や生命保険料などの書類を提出します。

確定申告は、自分で税務署に申告する手続きです。年末調整で済む人も多い一方、給料のほかに所得がある場合や、年の途中で退職して年末調整を受けなかった場合などは、確定申告が必要になることがあります。必要かどうかは、国税庁「給与所得者で確定申告が必要な人」で確認できます。個別の判断は、税務署や税理士に相談してください。

転職を考えている方は、日本での転職のしかたもあわせてご覧ください。

帰国するときの年金:脱退一時金

脱退一時金とは、日本の年金に6か月以上加入した外国人が、日本を出国した後に請求できる一時金です。老齢年金を受け取れる加入期間(10年)に達していない場合などに利用できます。

日本年金機構の案内によると、請求できる主な条件は次のとおりです。

  1. 日本国籍がないこと
  2. 国民年金・厚生年金の保険料納付済期間などが6か月以上あること
  3. 日本に住所がないこと
  4. 年金を受け取る権利を持ったことがないこと

請求期限は、日本に住所を有しなくなった日から2年以内です。支給額の計算に使う月数は、最大60か月(5年)までです。令和8年度(2026年度)の国民年金分は、納付が6か月以上12か月未満で53,760円、60か月以上で537,600円です。厚生年金は、加入期間の平均標準報酬額と、加入月数に応じた支給率で決まります。

厚生年金の脱退一時金は、支給時に所得税が源泉徴収されます。帰国前に税務署へ「納税管理人」の届出をしておくと、還付を受けられる場合があります。詳しくは日本年金機構と管轄の税務署に確認してください。制度は見直されることがあるため、請求前に最新の案内を確認しましょう。

よくある質問

Q. 手取りは額面の何割くらいですか。 A. 社会保険料だけで額面の約15%が引かれ、所得税と住民税も加わります。残りの割合は、扶養の有無や住む地域で変わるため、給与明細で確認するのが確実です。

Q. 外国人でも社会保険に入る必要がありますか。 A. 一定の条件を満たす会社員は、国籍に関係なく加入するのが基本です。加入するかどうかは、勤務先の人事担当者や年金事務所に確認してください。

Q. 住民税は、日本で働き始めた年から払いますか。 A. 日本での前年の所得がなければ、1年目は引かれないことが多いです。ただし、前年にアルバイトなどの所得があれば、1年目から課税される場合があります。

Q. 年の途中で退職したら、確定申告は必要ですか。 A. 年末調整を受けていない場合は、確定申告が必要になることがあります。手続きの要否は、国税庁の案内か税務署で確認してください。

Q. 帰国後に脱退一時金を請求できる期間はありますか。 A. はい、日本に住所を有しなくなった日から2年以内です。期限を過ぎると請求できないため、帰国前に必要書類を確認しましょう。

次のステップ

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最終更新日:2026年11月4日。制度は変更されることがあります。最新情報は日本年金機構、協会けんぽ、国税庁、お住まいの市区町村などの公式サイトでご確認ください。税金や年金の個別の判断は、税務署・年金事務所・社会保険労務士にご相談ください。

参考にした公的情報

制度は変更されることがあります。最新の情報は、出入国在留管理庁・厚生労働省などの公式サイトで確認してください。